大阪公立大学 医学研究科 共同実験機器施設

分析前処理の効率が2倍以上になり、
委託分析のフィードバックが早くなった

質量分析を目的とした多様な試料の前処理に加圧式サンプル処理マニホールドPRESSURE+48と窒素吹付高速パラレル濃縮装置TurboVap®LVが活躍

大阪公立大学 医学研究科 共同実験機器施設
大阪公立大学医学研究科共同実験機器施設

大阪公立大学 医学研究科 共同実験機器施設では、サンプル前処理も含めた依頼分析や装置利用を学内外から受け付けています。分析の前処理の効率化に、バイオタージの加圧式サンプル処理マニホールド「PRESSURE+48」と、窒素吹付高速パラレル濃縮装置「TurboVap®LV」を活用いただいています。今回は、同施設で依頼分析を担当する技術職員の江上さんと准教授兼同施設の管理者である塩田先生にお話しを伺いました。

― まず、お二人の業務内容についてお聞かせください。

江上さん:大学に5フロアある共通機器室のうち、14階にある質量分析計を中心とした共通機器の管理や装置利用者の操作サポート、学内の先生方からの依頼分析を行っています。

塩田先生:共同実験機器施設は医学部付属の共用施設であり、一部の機器は所定の手続きを経れば、学内外問わず利用いただけます。私は適切に利用いただくための管理や、学術研究支援のための運営業務を担当しています。

大阪公立大学医学研究科共同実験機器施設インタビューの様子①

― どのような方が利用されているのでしょうか。

塩田先生:共通機器のオープンファシリティー化を促進していますので、大学だけではなく、企業の方にも利用いただいています。

江上さん:美容系や食品系の方に利用いただいたこともあります。

多検体でも均一に通液

― 幅広い業界の方に利用いただいているのですね。装置を導入されたきっかけは何でしょうか。

江上さん:学内の先生方の分析前の準備の様子を見たり聞いたりしていると、分析に持って行くまでがとても大変そうだと感じていました。分析前のサンプル準備の工程を自動化して、先生方の負担が減らせたらと思うようになりました。

― 検討の際は他の装置を試されましたか?

江上さん:PRESSURE+48の時は、減圧式のキットを手作りで安く製作したものと比較しました。手作りのキットの方は吸引にばらつきがあり、PRESSURE+48は均一に通液できるので、上手くいかないところだけ追加で何かするというような余計な手間が増えないところがよかったです。TurboVapは、仕様が用途にマッチしていたのと、バイオタージの製品なので信頼していたのもあり、他のものは試していないです。

大阪公立大学医学研究科共同実験機器施設インタビューの様子②

1日かかっていた分析の前処理が半日で終えられるようになった

― 導入したことでどのようなメリットがありましたか?

江上さん:PRESSURE+48がなく、手で固相カラムでの前処理をしていた時は朝から夕方まで注射器を使って一つ一つ行っていました。前処理が終わったサンプルを遠心濃縮機にセットして帰宅し、翌日回収し再溶解を行って分析という流れでした。一日以上かけて分析試料を準備していたのが、PRESSURE+48とTurboVapを利用することで、固相カラムでの前処理から濃縮までを夕方までに終わらせることができ、分析装置へのセットまでが一日で完結できるようになりました。

大阪公立大学医学研究科共同実験機器施設Turbo Vap利用シーン

TurboVapは濃縮の途中で装置のふたを閉じたまま様子を見ながらガス量調節できるのもいいですね。装置のふたを開けると時間のカウントが一時停止状態になり、窒素ガスの吹付も自動で停止するようになっていますので、使いやすい仕様だと思います。

今ちょうど企業の方がTurboVapを利用しに来られましたね(笑)。当施設で何度かTurboVapの利用歴があるのでお一人で操作されています。2~3回で使いこなせるというのは様々な方が利用される当施設では意外と大切なポイントです。誰でもミスなく操作できる使いやすさで、教える側と利用者の双方にとって負担がないのがいいですね。

― 製品やバイオタージに何かご要望はありますか。

江上さん:PRESSURE+48の回収ラックとカラムラックとの距離が調整できると助かります。液量が少ないので、試験管ではなく1 mLチューブで回収したいのですが、カラムの出口から距離が遠いので試行錯誤しているところです。

― 確かに回収ラックの高さ調整ができると便利ですね。回収ラックに試験管を挿して、試験管にチューブをひっかける形で入れるのが今のところの解決策ですね。この方法をお試しいただければと思います。

 

― 本日はお忙しいところお時間いただきありがとうございました。

インタビュー実施:2023年11月20日
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大阪公立大学医学研究科

導入製品

窒素吹付高速パラレル濃縮装置
TurboVap®LV

https://www.biotage.co.jp/products_top/evaporation/tvlv/

加圧式サンプル処理マニホールド
Biotage®PRESSURE+

https://www.biotage.co.jp/products_top/sample-preparation-products/pressure_plus/

導入機関

大阪公立大学医学研究科

大阪公立大学大学院医学研究科は智・仁・勇の基本理念のもとで高度な医療技術と知識の習得、それに培われた行動力、そして人のもつ悩みや痛みを深く温かく受け入れる心をもつ医師の養成、最先端の創造的な医学研究を達成できる世界的に活躍する研究指導者の育成を目指しています。