Biotage® ELSD-A120
蒸発光散乱検出器(ELSD)
Biotage® ELSD (evaporative light-scattering detector) は、Biotage® Selekt フラッシュ精製システムで、紫外線や可視光では検出できない有機化合物を精製する際に使用する汎用検出器です。
アプリケーション
- 炭水化物
- 脂質
- ステロイド
- テルペン
- オイル
- 天然物
Isolera ELSD (evaporative light-scattering detector) は、非常に汎用性の高い検出器です。フラッシュ精製装置と組み合わせる事で、従来の UV ディテクターでは検出できなかった紫外吸収の無い有機化合物や脂質、ステロイドなどを分画、精製できます。ELSD は UV 吸収がある化合物も検出することが可能なので、UV ディテクターと ELSD の同時モニターを行う事で化合物フラクションを取逃がすリスクを大幅に軽減します。
特徴
・柔軟性 | 殆どの化合物を高感度に検出 |
・室温以下の設定 | 揮発性物質も室温以下の設定で検出 (設定可能温度: 25~120°C ) |
・高い再現性 | 再現率98%以上 |
・独立温度制御 | ネブライザー部/エバポレーター部で独立に温度設定可能 |
・コンパクト | 場所を取らない省スペース設計 |
・汎用性 | 他のHPLC分析にも利用可能 |
アドバンスト・デザイン
有機化合物にはそれぞれ化学的特性と物理的特性があり、全ての検出器の感度に影響を与えています。これは ELSD においても同様で、化合物の特性にマッチした条件設定を行う必要があります。 Isolera ELSD-A120 は多様なサンプルに対応できるよう、ネブライザーとエバポレーターの温度を独立して設定できるようにデザインされています。あらゆる物質の分子量や揮発性に対応します。
Sfär HC Duo 10g によるフタル酸混合サンプルのヘキサン:酢酸エチル系での分取例。左端のピークはトルエンで赤線の 254nm でピークを検出していますが、
青線の 280nm での UV 吸収がないことが測定されています。その後、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチルの順に出てきています。
黒色のクロマトグラムは全波長(200-400nmの積算値)、緑のクロマトグラムがELSDで検出したものになります。
ELSD-A120 側の設定は、EVAP = 35℃、NEB=25℃、LED =1、その他は標準設定です。注意していただきたいのは、トルエンは揮発性で分子量も小さく、
試薬類の設定に入るために、この ELSD の設定では検出がされません。
大気温以下の温度設定
ネブライザーとエバポレーター部分の温度設定を25°C 付近に設定する事で、高揮発性物質の検出も可能となります。
原理
Flash カラムから溶出した移動相とサンプルは、スプリッターを通して分割され ELSD へ導入されます。その後、窒素と共に温度調整されたネブライザーで噴霧され、キャリアーガスと共にエバポレーター部へ輸送されます。光検出部付近では殆どの移動相が留去され、サンプルは粒子となって運ばれてきます。発光ダイオードによる直進性の高い光にサンプル粒子が当たると、屈折や反射による光散乱を引き起こします。それらをマルチプライヤーで検出します。
システム仕様
電源 | 100 – 240 VAC, ± 10 %, 50 or 60 Hz, ± 5 % |
---|---|
外寸 (H x W x D) | 415 x 200 x 450 mm |
重量 | 11 kg |
光源 | LED 480 nm (Class 1 LED Product) |
検出器 | PMT with digital signal processing |
温度範囲 | Nebulizer, OFF, 25 – 90 °C Evaporator, OFF, 25 – 120 °C |
ガス流量 | 0.9 – 3.25 SLM (controlled gas shut-off) |
圧力範囲 | 60 – 100 psi (4.1 – 6.9 bar) |
流速範囲 | 0.2 – 5.0 mL/min |
アナログ出力 | 0 – 1.25 V FSD |
通信方法 | Serial (RS232) – only for firmware update |
安全性 | ガスストップバルブ, リーク検出 |
認証 | IEC, CSA, UL |