PhyTip®カラム
生体分子精製チップカラム
PhyTip®カラムは、プラスミド精製、タンパク質精製、AAV精製における様々な自動精製ソリューションにご利用いただけます。
マイクロスケールからの精製が1本のチップで完了するため、ハイスループットでのサンプル処理が可能です。
PhyTip®カラムの主な特長
- 生体分子のハイスループット精製
- 主要なリキッドハンドリングロボットに対応
- 多用途:一度に1~96サンプル、幅広いレジンが利用可能
- 高純度、高回収率でマイルドな精製
PhyTipカラム製品の基盤技術:デュアルフロークロマトグラフィー
ピペットチップの先端にある2枚の薄い親水性のフリットスクリーンの間にレジンが充填されています。繰り返しのピペット操作によりレジンへの吸着や洗浄、溶出がコントロールできて、希望の条件での精製が可能です。
通常のクロマトグラフィーは一方向性ですが、特許取得済みのBiotage独自のPhyTipカラムのデザインにより、両方向性のクロマトグラフィーが実現しました。このデュアルフロークロマトグラフィー(dual flow chromatography, DFC)技術を採用したPhyTipカラムを使用することで、吸引・吐出を繰り返すピペット操作が可能です。従って、標準的なリキッドハンドリングシステムを使用してチップ1本でサンプル精製が完了し簡単に自動化が可能です。PhyTipカラムで、少量多検体のサンプル処理や、マイルドな精製条件のためタンパク質の活性を失われにくいなどの利点があります。
その他の特長
穏和な条件での精製
DFCは、サンプルのネイティブな状態を維持し、精製後もタンパク質やプラスミドが活性を維持することを保証するマイルドな精製技術です。また、PhyTipカラムテクノロジーは、最大95%の純度のサンプルを得ることができます。
自動化が容易
標準的なリキッドハンドラーでタンパク質とプラスミドの精製を行う場合、自動化は容易です。Biotageは主要なリキッドハンドラーに対応したPhyTipカラムを提供しておりますので、自動化プロトコールのセットアップをサポートします。
独自のデザイン
PhyTipカラムはユニークなデザインで、ピペットチップの先端にある2枚の薄いフリットスクリーンの間にレジンが充填されています。PhyTipカラムは、タンパク質精製やプラスミド精製用に数種類のアフィニティーレジンやクロマトグラフィーレジンをご用意しています。ご希望のレジンが製品リストにない場合は、粒子径40μm以上であればカスタムパッキングで充填できる場合がございます。お気軽にお問合せください。
サンプルの濃縮
充填されたレジンを含む独自のカラムデザインにより、レジンベッド量を通して積極的に輸送されます。サンプル全体が少量のレジンに結合可能なため、少量で溶出することができます。その結果、以降のステップの分析に最適な高濃度の純サンプルが得られます。
高い回収率
DFCによるサンプル処理では、充填されたレジンへのタンパク質の完全な結合が保証されます。PhyTipカラムによるタンパク質精製では、最大95%のサンプル回収が可能です。
再現性
精製プロセスの各ステップは、次のステップに進む前にDFCによって完了します。従って、結果が予測可能で、再現性が高く、毎回高品質の結果が得られます。さらに、精製プロセスは完全にスケーラブルで、レジンやサンプルサイズに関係なく同じ結果が得られます。
自動化
PhyTip®カラムはピペット型チップを用いているために自動化に適しており、各社リキッドハンドラーで使用することが可能です。
Analytik Jena 、バイオテック、 Opentronsに対応可能な機種もございます。
Biotage は条件検討から自動化、さらにはスケールアップまでサポートできるシステムをラインナップ。 用途に応じて選択していただけます。
カスタムPhyTipカラム
お好みのレジンをご希望のチップに充填いたします。
PhyTipカラムの豊富な充填経験から、粒子径40μm以上のアフィニティ支持体、シリカ、レジンであれば、PhyTipカラムに充填(96本/箱)することが可能です。カラムは主要な自動化システムに適合するように製造することができます。樹脂は樹脂の供給元から直接出荷されるか、またはお客様からご提供いただきます。パッキング後の余剰樹脂はお客様に返却されるか、または将来の注文のために最大6ヶ月間保管可能です。
充填可能かどうかについてはお気軽にお問合せください。
PhyTipカラムFAQ
デュアルフロークロマトグラフィーは様々なサンプルサイズに対応できますか?
PhyTipカラムはあらゆるサンプルサイズのサンプル処理に使用できます。生体適合性ポリマーの特殊な親水性フリットにより、10μLまでの少量のピペッティングが可能です。
レジンの容量は溶出量にどのように影響しますか?
PhyTipsの充填レジンベッドは、非常に少量の溶出量で溶出を可能にします。経験則として、最小溶出量は通常レジン容量の3倍です。つまり、5μLのレジンの場合、15μLの溶出量を使用することができます。
必要なレジン量はどのように選択すればよいですか?
精製するタンパク質の量とレジンの結合能力に依存します。通常、効果的な使用では捕捉するタンパク質量の3倍量のレジンを使用することをお勧めします。
PhyTipカラムのQCテストはどのように行われますか?
PhyTipカラムは、製造工程の複数のステップで、構造、寸法、背圧、フローがテストされます。各カラムはテストされ、カラム内のレジンは結合能力もテストします。
PhyTipカラムでプロトコルを自動化するには?
弊社では、PhyTipカラムを用いたワークフローの自動化について、豊富な経験と優れたサービスを提供しています。弊社までお問合せください。
PhyTipカラムと互換性のある自動リキッドハンドリングプラットフォームは?
PhyTipカラムは、Tecan、Agilent、Beckman、Perkin Elmer/Caliper、Dynamic Devices、Hamiltonなどの主要なロボットシステムに対応しています。
PhyTipカラムはどのように保管すればよいですか?
PhyTipカラムは常温で出荷されます。
PhyTipカラムは4~8℃で保存してください。凍結や冷凍保存はしないでください。使用しないときは、PhyTipカラムが乾燥しないように箱の蓋を閉めて密閉してください。
PhyTipカラムは滅菌済みですか?
いいえ。しかし、PhyTipカラムは殺菌剤を含むバッファーで出荷されるため、細菌の増殖に耐性があります。レジンによっては、使用前にカラムをエタノール/水で処理またはコンディショニングする場合があります。