December 14, 2020
Bob Bickler
多くの化学者にとって、ラボの予算、特に消耗品にかかる予算は限られています。 ラボの予算を伸ばす方法の1つとして、使い捨てのフラッシュクロマトグラフィーカートリッジを再利用することが挙げられます。
この記事では、使用するカートリッジのブランドにかかわらず、シリカフラッシュカートリッジを繰り返し使用すると、化合物の分解能とフラクション純度が低下することを説明します。
消耗品のコストを節約するために、多くの化学者はシリカフラッシュカートリッジを再利用することを選択します。これは、クロマトグラフィーの分離性能がランごとに変化し、特に順相フラッシュシステムで精製のクオリティが低下するため、精製結果を危険にさらすことになります。
カートリッジは再利用できると主張されることがよくあります。これは、分離が比較的単純である場合に当てはまります。シリカフラッシュカートリッジを再利用すれば、精製あたりのコストは下がりますが、2回目以降の精製の質は1回目ほど良くなく、分離効率とフラクション純度が下がります。
この点を証明するために、5つの化合物の溶液を2つのフラッシュカートリッジ(Biotage と他の有名なフラッシュカートリッジメーカー)で精製しました。使用したメソッドは、5% から 40% の酢酸エチル/ヘキサングラジエントです。
その結果、3回のランで両方のカートリッジで分離が低下しましたが、表面積の大きい Biotage® SNAP Ultra シリカカートリッジ(図1)は、同じ経過時間では競合の球状シリカ(図2)よりも劣化が少ないようです。
したがって、プロダクトの純度を重視するのであれば、反応混合物の精製のたびに新しいシリカカラムを使用することをオススメします。
フラッシュクロマトグラフィーに関する詳しい情報は、ホワイトペーパーをご覧ください。
日本語化:2022年9月
ウェブのみ一部修正:2024年9月
PDFファイルダウンロード(430KB, 2022年9月)