CyBio® FeliX による抗体精製のオートメーション化
Leaflet(pdf)
ライフサイエンスに関連するトピックを毎月お届け致します。Small-scaleで多くのサンプルを同時に検証する「条件検討」や「high-throughput screening」を目的とする研究員の方々にピッタリの話題です。
昨今では機械・ロボット工学やコンピューター・サイエンスからのベネフィットにより、わたくしたちの身の回りは、さまざまな実験機器で溢れかえっています。これらの恩恵を受け、一昔前よりも格段に研究における利便性が向上しています。例としましては、異なる温度のヒート・バスを利用しマニュアルでおこなわれていた PCR は thermal cycler の開発により、その手間はドラマティックに軽減されたことは周知の事実です。現在では、サンプルを準備し thermal cycler にセットしボタンを押したら、あとは「ほったらかし」です。ロボットが実験を代行している「時間」を研究員は有効活用し、研究プロセスの向上を図っています。しかしながら、その一方で求められるデータ量も増え、その正確性も厳しくジャッジされることになりました。それゆえに研究の煩雑さも以前より、はるかに増しています。
8回目となる今月は、実験オートメーションがこれらの課題を「どのように解決し研究プロセスのスピードを高めていくか」の実例を紹介致します。
ご存知のようにオートメーションには、さまざまなレベルがあります。実験、データの取得や評価もおこなう「ワークフローの自動化」など、その定義は段階により異なってきます。これらを踏まえ「実験オートメーション」により、もたらされるベネフィットについて考察してみます。① リピート実験の精度向上、② 危険なサンプルや試薬への曝露機会の減少、③ 人為的なミスや「ひと」からのコンタミネーションのリスク軽減があげられます。新型コロナウイル スに「感染しているか」をチェックするPCR 検査は、これら3つのファクターが良く当てはまる「自動化を導入するきっかけ」の好例とも言えます。
ピペット・チップ型カラムである Biotage® PhyTip をロボットに搭載し自動化することで、再現性、時間や実験の「悩み」を解決へと導きます。
今回は analytikjena、ペルセウスプロテオミクスと Biotage®の 3社コラボレーションによる実験オートメーションの実例を紹介致します。「自動化システムの導入」または「実験の自動化から得られるメリットは何か」と考えられている研究員の方々のヒントになると幸いです。
ペルセウスプロテオミクスでは analytikjena の CyBio® FeliX に Biotage PhyTip®カラムを搭載し、抗体精製の実験をロボットが代行しています。ご紹介するリーフレットには、このコラボレーションから得られた実際のデータが記載されています。
ペルセウスプロテオミクスの研究員の方からは「今回の CyBio® FeliX と PhyTip®の導入により 1時間で 96サンプルが精製可能となり、多検体少量生産が手軽に実施可能となったうえ、自動精製機能により作業時間も大きく節約できました。さらに導入時には精製に使用するプログラムの作成から実験系の確立まで行っていただき、すぐに実験に活用することができたのも大きなメリットでした」と嬉しいお言葉をいただいでおります。
このような実験を「ひとつずつ」マニュアルで検証していくと莫大な労力、時間や資金を要します。それゆえに「同じ条件」で「再現性高く」これらのステップをおこなうには、ロボットによるオートメーションが求められてくるでしょう。このような要求に応えられるよう、わたしたち Biotage®はロボットによる自動化に適した製品を数おおく提供しています。PhyTip®カラムは抗体、AAV やタンパク質の精製に適した製品であり、さまざまなアプリケーションに対応しているので、主要なリキッド・ハンドリング・システムに搭載することで自動での精製を手助けします。PhyTip®カラムは「Lab automation」を推しすすめ、研究者をルーティンから解放することで「貴重な時間」を提供しています。
参考文献
CyBio® FeliXによる抗体精製のオートメーション化