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Chemical Data Sheet


誘導体化法を利用した強陽イオン交換テクニック


(二級アミンと三級アミンの分離)













 強陽イオン交換の吸着剤である ISOLUTE SCX-2 を利用し、試薬の除去やキャッチ&リリースというSPEのテクニックを用いた目的化合物の精製手法が 利用されています。 ISOLUTE SCX-2 のスルホン酸基は塩基性の化合物と結合します。これを、引き続きメタノール/アンモニア溶液で洗い流すことで、反応混合物から精製された塩基性の目的化合物を単離できます。この手法は非塩基性不純物から塩基性化合物を分離する手法として有効ですが、 二級アミンと三級アミンをISOLUTE SCX-2 で分別することは不可能です。














 二級アミンと三級アミンを分けることは定常的な問題とされています。アルキル化、脱アルキル化、脱保護そして還元アミノ化のような通常の反応においてその様な混合物が得られます。


 



ISOLUTE SCX-2 を用いたキャッチ&リリースにおいて、二級アミンの塩基選択性を調整するという誘導体化精製手法を用いることで、混合溶液の選択性を向上することが可能です。これは、液相用スカベンジャーレジン(例えば、ポリスチレンベースのイソシアネートレジンである PS-Isocyanate や MP-Isocyanate)を用いた化合物の選択的除去を捕捉するものですが、こちらの ISOLUTE SCX-2 を用いた誘導化精製手法の利点はカラムやプレートフォーマットを利用できることです。


 


【ISOLUTE SCX-2 カラムの容量】
必要なカラム形態は精製される化合物の量に依存されます。ISOLUTE SCX-2 カラムでは、適切な条件下で充填量 1g で約 20-50 mg の塩基性化合物の精製が可能です。もし反応混合物が、カチオン等いかなる電位妨害種を含むようであれば、これらは考慮されるべきであり、十分な容量を確保するためにカラムサイズを慎重に選択すべきです。


 



【化学データ】
基本材質: シリカ、粒径 50 um
官能基: プロピルスルホン酸
カウンターイオン:プロトン


 


 


す。 















【誘導体化法を利用した精製/二級と三級アミン混合物の分離】
本データシートでは、強陽イオン交換剤の ISOLUTE SCX-2 を用いて、脂肪族三級アミンから脂肪族二級アミンを分離するための誘導体化法の利用方法を記載しています。二級アミンは選択的に誘導体化され、非塩基性となり、三級アミンから分離されます。それには2種類の誘導化法のルートがあります。
 ・ 過剰な無水酢酸を用いた二級アミンのアセチル化(Fig.2)
 ・ 反応混合物をDCM中で過剰なBoc2Oを作用させることで、二級アミンのみがカルバマートを形


   成します。この場合、二級アミンはTFAを用いたBoc基の切り出しとキャッチ&リリースによって


   回収されます。(Fig.3)














【アセトアミド形成を目的とした二級アミンのアセチル化】


(一般的な手順)
1.クルード状態のアルキル化反応混合物へ無水酢酸(原料のアミンに対して2当量)を加え、


  室温で10分間放置
2.以下の精製手順を実施
 i) 混合物をメタノール(1:1、v/v)で希釈
 ii) メタノールを用いて ISOLUTE SCX-2 を平衡化(2ベッドボリューム※)
 iii) 重力下で反応混合物をカラムへアプライ
 iv) メタノールを用いてアセトアミドを抽出(2ベッドボリューム※)
 v) 重力下で 2Mのアンモニア/メタノールを用いて三級アミンを抽出(2ベッドボリューム※)
 vi) v)の抽出液を濃縮することで純粋な三級アミンが得られる
※ 100 mg 充填で 125uL のベッドボリューム


 


注意:充填剤量の選択時には、存在する強塩基性金属イオンの濃度を考慮して下さい。


    十分な容量がなければアミンが破過してしまいます。











 


1.不完全なアルキル化反応によって得られる二級および三級アミン
2.過剰(2倍)な無水酢酸を添加することで二級アミンをアセトアミドへ変換。


  三級アミンは電荷を帯びない状態を保つ
3.ISOLUTE SCX-2 をキャッチ&リリースモードで利用し三級アミンを単離


 











【二級アミンのBoc保護によるカルバマート形成】
(一般的な手順)
1.精製ステップ#1:反応混合物からの二級三級アミンの分離
 i) 混合物をメタノール(1:1、v/v)で希釈
 ii) メタノールを用いて ISOLUTE SCX-2 を平衡化(2ベッドボリューム※)
 iii) 重力下で反応混合物をカラムへアプライ
 iv) メタノールを用いて洗浄(2ベッドボリューム※)
 v) 重力下で 2Mのアンモニア/メタノールを用いてアミンを抽出(2ベッドボリューム※)
 vi) ろ液を濃縮し二級三級アミンの混合物を得る


 


2.誘導体化ステップ:DCM溶媒へ溶解。Boc2Oを加え(原料のアミンに対して2当量)、


  室温で10分間放置


 


3.精製ステップ#2:三級アミンの精製
 i) アミン混合物をメタノール(1:1、v/v)で希釈
 ii) メタノールを用いて ISOLUTE SCX-2 を平衡化(2ベッドボリューム※)
 iii) 重力下で反応混合物をカラムへアプライ
 iv) メタノールを用いてBoc保護の二級アミンを抽出(2ベッドボリューム※)
 v) 重力下で 2Mのアンモニア/メタノールを用いて三級アミンを抽出(2ベッドボリューム※)
 vi) v)の濾液を濃縮し三級アミンの混合物を得る
 vii) iv)の濾液を濃縮し二級アミンカルバマートおよび残留Boc2Oを得る
viii) vii)をTFA/水(95:5、v/v)で処理し、濃縮することでトリフルオロ酢酸塩としての純粋な


    二級アミンを得る


 


4.精製ステップ#3:二級アミンの遊離
 i) トリフルオロ酢酸塩をメタノールで溶解
 ii) メタノールを用いて ISOLUTE SCX-2 を平衡化(2ベッドボリューム※)
 iii) 重力下で反応混合物をカラムへアプライ
 iv) メタノールで洗浄(2ベッドボリューム※)
 v) 重力下で 2Mのアンモニア/メタノールを用いて二級アミンを抽出(2ベッドボリューム※)
 vi) 濾液を濃縮し二級アミンの混合物を得る


※ 100 mg 充填で 125uL のベッドボリューム


 


注意:充填剤量の選択時には、存在する強塩基性金属イオンの濃度を考慮して下さい。 十分な容量がなければアミンが破過してしまいます。











 


1.ISOLUTE SCX-2 を用いた分離によりアミン混合物を得る
2.DCM中で過剰量(2倍)のBoc2Oで処理することにより、二級アミンがカルバマートを形成し


  非塩基性となる。三級アミンは電荷を帯びない状態を保つ
3.ISOLUTE SCX-2 を用いて三級アミンを捕捉し、Boc保護のアミンはメタノールで溶出される。


  三級アミンは2Mのアンモニア/メータノール溶液で回収される
4.Boc保護された二級アミンはTFAにより脱保護され、TFA塩として回収。遊離塩基を遊離させる


  ために再度 ISOLUTE SCX-2 がキャッチ&リリースモードで利用される












 



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