NL SCX2

 

テクニカルノート


 


ISOLUTE® SCX-2


Work-up SPE cartridges (塩基性化合物の精製)


 


 


 


メディシナルケミストリーにおいて、反応溶媒にDMSOなどの高沸点溶媒を利用するケースが多々見受けられます。反応終了後には、目的化合物を原料や副生成物が含まれる反応混合溶液から分離する必要があります。目的化合物が塩基性であれば、イオン交換作用をもつSPEカートリッジを用いることで、反応液から選択的に塩基性化合物分離し煩雑な精製工程を簡略化でます。


 


本テクニカルノートでは、強陽イオン交換カートリッジのISOLUTE SCX-2について紹介致します。


 


 


nl1scx2_scx2


 


 


 


【ケミカルデータ】


 基本材質:シリカゲル、50μm、破砕型


 官能基: プロピルスルホン酸


 キャパシティー: 0.6 mmol / g


 カウンターイオン: プロトン


 


【プロトコル】


本プロトコルはISOLUTE SCX-2 500 mg / 6mL カラム (#532-0050-C)の使用に基づいています。このカラムは分子量350amuの塩基性物質10-50 mg の分離に適しています。この方法は必要に応じて、より大きなカラムを用いてのスケールアップにも適用可能です。


     もし除去されるべき塩基性化合物が過剰に存在する開始試薬である場合、同じ量の化合物を処理する場合においても大きめのカートリッジの使用を推奨します。


 


 


     サンプルの準備


サンプル(DMSOなどの溶媒中の有機合成反応物)を低極性の溶媒で希釈することで、しばしば良好な結果が得られます。これにはジクロロメタンとメタノールの混合溶媒が適していますが、実際には希釈溶媒の選択は化合物が析出しない程度にその化合物の極性によって決めます。一般的に本方法の選択性は、可能な限りほとんど非極性の溶媒あるいは溶媒混合液を用いることにより向上します。


  


     カラムのコンディショニング


2 mlのメタノールでカラムをコンディショニングします。カラムを “ウェット” な状態にすることで修飾官能基と反応混合物との相互作用を最大限化します。典型的な溶媒量は充填剤に対して510 ml / gです。


 


     カラムの平衡化


2 mlのメタノール/DCM溶媒をカラムへ通液します。湿らせた後のカラムを “普通の状態” にすることが重要です。すなわち、サンプル溶液と出来る限り同じような環境に整えるため、同様の溶媒で通液します。液量の目安は充填剤に対して10 ml / gです。


 


     サンプルチャージ


サンプルをカラムへチャージします。一般的なサンプル容量はこの系(500mg/6ml)においては1-10mlとなります。ただしこれはサンプル中の合成物の濃度によって異なります。サンプルサイズはあらかじめ精製したい物質の質量から計算しておいてください。また、カラムを加圧して流速を早める事はお勧めしません。重力滴下を推奨致します。


 


     非塩基性化合物の除去


適切な溶媒(コンディショニング溶媒と同種が好ましい。2ml2回)を用いて非塩基性化合物および副生成物を洗い流します。続いて、0.1Mアンモニアのメタノール溶液1mlで洗い流します。


 


     目的化合物の溶出


塩基性の目的化合物を1Mアンモニアのメタノール溶液(2ml2回)で洗い流します。溶出に用いた溶媒は低沸点溶媒なので、その後のエバポレーションも容易に完結できます。


 


【製品情報】


SCX-2は様々なフォーマットでご利用できます。詳しくは下記の表を参照もしくは弊社にお問い合わせ下さい。


nl1scx2_scx2chart

次の投稿
ニュースレター:第29号
前の投稿
ニュースレター:第28号