テクニカルTips FLASH精製の最適化 1/3 (TLCデータを順相アイソクラティックFLASHへ) |
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フラッシュクロマトグラフィーの最適化について
化合物合成の過程に於いて、反応混合物から目的の化合物を単離・精製する手段として、昨今ではプレパックドカラムを用いた中圧自動精製システムが盛んに利用されています。市販の装置の殆どが、そのシステムを簡単に利用できるよう、ソフト・ハードの両面において様々な工夫を凝らしています。
フラッシュクロマトグラフィーのメソッド開発をする場合、順相アイソクラティック、順相グラディエント、逆相の特定の3タイプのフラッシュ精製が考えられます。 順相: 逆相:
今回は、順相アイソクラティックFLASHを利用する際、TLC条件からFLASH精製へ移行する際の考え方を取り上げたいと思います。
【順相アイソクラティックFLASH】 1.TLCを使用した化合物保持および分離度の予測 FLASH精製を成功させるためには、TLCプレートを使用したメソッド開発を推奨します。TLCプレートにおける成分の保持をRf(保持係数)について測定しますが、これをFLASH精製へと移行する際には、CV(カラムボリューム)値を理解することが重要です。CV値とは、カラム空間体積から充填されたシリカゲルの体積を引いた残りの体積を表し、個々のカラムサイズに依存した数値になります。個々のカラムのCV値を理解しておくことで、カラムが何mlの溶媒で満たされるかを知ることが出来、カラムの前処理や分取を行う際に非常に有効です。
TLCで適切な展開溶媒を探す場合、一般的に Rf 0.15 ~ 0.35 に目的の化合物を展開出来るような移動相が適切とされています。Rfが低いとCVが大きくなることで、化合物とシリカの接触時間が長くなり、成分分離の向上が期待されます。また、CVが化合物保持時間(展開時間)の指標であるのに対し、ΔCVは化合物の分離度の指標となり、このΔCVの最大化が如何にFLASH精製で化合物を分離する際の重要なポイントになります。Rf・CVおよびΔCVなどの関連性は図2からより詳しく理解できます。
尚、バイオタージのFLASH精製では、任意のカートリッジサイズで可能なサンプルロードの範囲をΔCVにより決定しています(表1)。
以上、次号では溶媒選択性について取り上げる予定です。 |
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