ISOLUTE® Myco
マイコトキシン保持官能基修飾
ポリスチレンジビニルベンゼンポリマー固相カラム
ISOLUTE® Mycoは、さまざまな食品試料から複数のマイコトキシンを同時にキャッチ&リリース法で抽出し、液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)による一斉分析を行うための固相抽出カラムです。
ISOLUTE® Mycoの固相は、多様なマイコトキシンに対して選択性を持つようデザインされた、新しいポリマーベース充填剤1です。
1.特許出願中
- 各メソッドについて、検出限界、%RSD、回収率においてEUおよび米国の規制により規定される最大残留限界(MRL)に適合し、多くの場合これらの要件を大幅に上回っていることを確認しています。
- ISOLUTE® Mycoを用いた前処理は迅速かつ簡便で、一般的な固相抽出の処理手順以外のステップを必要としないため、自動化に適しています。
- ISOLUTE® Mycoは従来より使用されているイムノアフィニティカラムと比較すると安価で使いやすく、ポリマーベース固相のため特別な保存環境を必要としません。ISOLUTE® Mycoのみで様々なマイコトキシンをクリーンアップできるので、前処理用カラムの在庫管理が容易になります。
ISOLUTE® Mycoのアプリケーション
ISOLUTE® Myco によるクリーンアップを確認した食品試料
- 穀類(小麦粉、小麦、トウモロコシ、大麦)
- りんごジュース
- ナッツ(ブラジルナッツ)
ISOLUTE® Mycoによる前処理を行い、定量性を確認したマイコトキシン*1
- 穀類(小麦粉、小麦、トウモロコシ、大麦)
アフラトキシンB1、アフラトキシンB2、アフラトキシンG1、アフラトキシンG2、オクラトキシンA、フモニシンB1、T-2トキシン、HT-2トキシン、ゼアラレノン、デオキシニバレノール、エルゴコルニン、α-エルゴクリプチン - りんごジュース
パツリン - ナッツ(ブラジルナッツ)
アフラトキシンB1、アフラトキシンB2、アフラトキシンG1、アフラトキシンG2、オクラトキシンA、フモニシンB1、T-2トキシン、HT-2トキシン、ゼアラレノン、デオキシニバレノール、エルゴコルニン、α-エルゴクリプチン
*1. アプリケーションは、各マイコトキシンの分析が必要とされる代表的な食品試料を用いて開発しました。
必要に応じて、類似の化学的および構造的特性を持つ表記以外のマイコトキシンにも対応できる可能性があります。
MRL*2への適合性
- 穀類(小麦粉、小麦、トウモロコシ、大麦):
- りんごジュース:
- ナッツ(ブラジルナッツ):
*2. 食品中のマイコトキシン濃度の公的管理のためのサンプリング及び分析方法を規定する規則
(EC) 401/2006
カビ毒の一斉分析について
マイコトキシンは、食用作物に発生するカビが産生する毒性代謝物の一群で、作物への直接的な汚染、あるいはそれを食べた家畜の肉や乳製品を通して食物連鎖に入り込みます。マイコトキシンは、人間、作物、そして家畜に害を及ぼす可能性があるため、さまざまな食品試料においてマイコトキシン汚染を検査することが必要です。
ところが、分析物ターゲットのマイコトキシンの構造と食品試料はともに多様性があるため、この両者が組み合わさった分析は煩雑で、手間のかかる前処理が必要でした。
従来、マイコトキシンの分析は高価なイムノアフィニティカラムによるサンプル前処理の後、UVあるいは蛍光検出による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用いて行われてきました。
イムノアフィニティカラムするアプローチは非常に特異性が高く精密な定量することが可能ですが、常は個々の(あるいは近縁種の)マイコトキシンのみの分析となり、特定のサンプルに含まれる規制対象のマイコトキシン全てを定量するには、前処理や定量分析を何度も実施する必要がありました。
ISOLUTE Mycoによるサンプル前処理と液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)を組み合わせることで、前処理コストを削減でき、さらに複数のマイコトキシンを一度に測定する一斉分析のアプローチが可能になります。
ISOLUTE® Myco SPEカラムを用いた固相抽出
- ステップ 1
固体の食品試料からマイコトキシンを液相に抽出する
(通常は試料を粉砕あるいはホモジナイズした後に溶媒抽出)。 - ステップ2 & 3
ISOLUTE® Mycoカラムのコンディショニングと平衡化を行う - ステップ 4
試料溶媒をロードし、ターゲットのマイコトキシンを固相に保持させる。 - ステップ 5
最適化された条件で夾雑成分を洗浄除去する。 - ステップ 6
溶出溶媒を用いて、ターゲットのマイコトキシンをカラムから選択的に回収する。