NL14_FLASH Optimization_3

 







 


テクニカルTips


FLASH精製の最適化 3/3


(2液グラジエント作成方法)














 


【順相グラジエントフラッシュ】


 


 グラジエント溶出によりケミストは精製をスピードアップし、回収率と収率を改善し、さらにはフラクションの純度を改善させることができます。グラジエント溶出では、より強い溶離溶媒の濃度を時間と共に上げていき保持力のより強い成分の溶解性を高め、アイソクラティック溶出と比較して成分が速く溶出されてバンド幅が狭くなるようにします。精製中に溶媒強度が上がっていくため、CV=1/Rf のアイソクラティックな関係は持続しません。グラジエント溶出では化合物はアイソクラティックな関係によって予測されるより少ないカラムボリュームで溶出し、溶出CVの正確な数はグラディエントの勾配によって決まります。


 


 TLC の Rf値からグラジエントCVへの移行を助ける、適用可能なアルゴリズムをBiotageのケミストが開発しました。このアルゴリズムは SPX および ISOLERA に組み入れられています。他のシステムを利用する場合、一般に適用可能なアルゴリズムは次のとおりです。


 


 Step 1: TLCの極性溶媒濃度の1/4の溶媒比で1 CV送液
 Step 2: Step 1 からTLCの条件の2倍の強度で10CV送液
 Step 3: Step 2 を維持し、2CV送液


 


 目的化合物の Rf 値が約 0.4 までの場合、これらの条件が利用できます。例えば、TLC条件が 8:2 ヘキサン/酢酸エチルでRfが 0.4 ならば、 以下のようにグラジエントを設定してください。


 


 Step 1: 5 % 酢酸エチルで 1 CV 送液
 Step 2: 5 % から 40 % 酢酸エチルへ 10 CV でグラジエント
 Step 3: 40%酢酸エチルを 2 CV 送液


 


本条件を使用した場合、サンプルロードが正しければ、Rf が 0.4 の化合物は精製の半ばで溶出し、Rf が0.1~0.9の範囲内の他の化合物から分離されます(表1を参照)。



 


 







【逆相フラッシュ】



 水溶性化合物の精製に用いられる方法である逆相フラッシュ精製では、メソッド開発に順相と異なるアプローチを使用します。逆相に推奨されるアプローチは、HPLCおよびBiotage KP-C18スケーリングカラム (4.6 x 250 mm) を用いたメソッド開発と最適化が含まれます。バイオタージのスケーリングカラムには、KP-C18 FLASHカートリッジと同じC18フェーズが充填されています。まず、以下のグラジエントで、HPLCで10~90%アセトニトリル(またはメタノール)水溶液により 3 mL/min (1 CV / min)でグラジエントを作成します。


 


 Step 1: 10 % ACN (または MeOH)、1分間
 Step 2: 10 ~ 90 % ACN (または MeOH)、10分超
 Step 3: 90 % ACN を2分間維持


 


 目的化合物がその不純物から完全に分離され、保持時間が 5 分以上になるまで、これを変更し続けてください。HPLCでは、最適のロードは分離度が失われるまでサンプル量を増やすことにより決定することができます。HPLC法をフラッシュ法に移行するには、化合物の保持時間(Tr)を、次式を用いてカラムボリュームに変換してください。


 化合物CV = 化合物の Tr / To (To = 空白時間、流速 3 mL/min で約 1分)


グラジエントプログラムを時間からCVに変換する場合、同じ式を使用してください。


 グラジエントStep 長(時間) / To = フラッシュStep 長(CV)


以上の式と同一の溶媒を使用すると、再現性のある逆相フラッシュグラジエントの開発が可能です。





   

   

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