ニュースレター：第70号

免疫抑制剤は、移植臓器に対する拒絶反応防止や自己免疫疾患の治療のために用いられますが、免疫不全のリスクがあるため、使用時には信頼性の高い測定手法による治療薬物モニタリング（TDM）が推奨されます。現在のところ、免疫抑制剤の血中濃度は主に免疫測定法（イムノアッセイ）により測定されていますが、時間がかかる上、交叉反応性の影響を受けます。このアプリケーションノートでは、交叉反応の問題がなく、信頼性が高いLC-MS/MSによる分析法を提案します。分析薬物はシロリムス、タクロリムス、エベロリムス、およびシクロスポリンAです。回収率は60-97%（RSD<10%未満）です。

エベロリムスの構造

エフェドリン、アンフェタミン、メタンフェタミン、MDMA、MDA、及びMDEAの分析法を説明しています。分析薬物の回収率は、いずれも95%以上を達成しています。

アンフェタミンの構造

ヒト尿からのバルビツール酸系薬物抽出法について詳しく説明しています。分析薬物は、ブタバルビタール、ブタルビタール、アモバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、ヘキソバルビタール、及びフェノバルビタールです。各分析薬物の定量下限値（LOQ）は10ng/mL、回収率は103-108%（< RSD10%）です。

バルビツール酸の構造
(バルビツール酸系薬物の基本構造)

ベンゾジアゼピン類は、不安、不眠、てんかん発作、アルコール離脱せん妄などの症状を抑えるために用いられる向精神薬です。長期使用により身体依存および投薬中止後の離脱症状を引き起こすため、投薬中のモニタリングと評価が必要です。生体サンプル前処理用珪藻土 ISOLUTE SLE+による最適化されたメソッドでは、ジアゼパム、ノルジアゼパム、ミダゾラム、フルニトラゼパム、7‐アミノフルニトラゼパム、ブロマゼパム、オキサゼパム、ニトラゼパム、フルラゼパム、テマゼパム、7‐アミノクロナゼパム、ロラゼパム、ヒドロキシエチルフルラゼパム、エスタゾラム、アルプラゾラム、トリアゾラム、α‐ヒドロキシアルプラゾラム、及びα‐ヒドロキシトリアゾラムについて、定量下限値40pg/mL、回収率90%以上を達成しています。

ジアゼパムの構造

【展示会】JASIS 2012（分析展/科学機器展）に出展します！
展示ブースでは、加圧式サンプル処理マニホールド Pressure+や、自動固相抽出装置RapidTrace、窒素吹き付け濃縮装置TurboVap、SPE Dry 96など、サンプル前処理/固相抽出製品を多数展示します。ぜひバイオタージのブースにお立ち寄りください！